特集 CQ&図解で学ぶ 生殖医療の基礎講座
Ⅱ 検査
CQ 5 卵巣予備能はどのように評価すればよいか?
北島 道夫
1,2
1高木病院女性医療センター
2国際医療福祉大学
pp.1178-1183
発行日 2025年11月30日
Published Date 2025/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003598
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A
▶卵巣予備能とはある時点で卵巣に遺残する卵子数とそれらの質と定義される。卵胞数とは,休止している原始卵胞と活性化され発育中の卵胞の総和である。卵巣予備能は年齢と強く相関するが,個人差が大きい。
▶卵巣予備能を計測することにより,将来の妊孕性,不妊治療の方針,卵巣への手術,抗がん薬など治療の影響,閉経に伴う卵巣機能低下などのコンサルテーションに活用できる可能性がある。
▶卵巣予備能検査として血中AMH,胞状卵胞数(AFC),血中FSHとE2が用いられる。質でなく数の間接的評価であり,AMHが最も簡便で信頼性が高い。調節卵巣刺激の反応性と強く相関するが,不妊治療で得られる卵や胚の質の予想,妊孕性(今後妊娠できるかどうか)の判断や閉経年齢の予測は難しいとされる。
▶肥満度(BMI),経口避妊薬の使用,運動,喫煙,重度の視床下部性無月経は血中AMH値を低下させる要因であり,結果の評価の際に念頭におく。

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