特集 産婦人科の未来予想図―これから必要な技術,資格について
各論
3.婦人科ロボット手術の未来―「協奏」と「個別化」の新時代―
坂本 育子
1
I. Sakamoto
1
1山梨県立中央病院婦人科(部長)
pp.877-881
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003510
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婦人科領域におけるロボット支援下手術(RAS)は,近年多くの施設で標準術式として確立された。当院では2016年にda Vinci Xiを,2023年にはHugoTM RAS Systemを導入し,1,300例を超えるRASを経験した。この経験から,単一機種を極める時代は終わり,多様なロボットの特性を理解し症例に応じて最適な手段を選択する「協奏」の時代へ移行しつつあることが示唆される。さらに,RASはAIやゲノム医療と融合し,患者一人ひとりに最適化された「個別化医療」を実現するプラットフォームへと進化している。本稿では,当院での経験と最新の学術的知見をもとに,婦人科ロボット手術の現在地と将来展望を,技術,教育,倫理的課題の観点から論じる。

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