特集 産婦人科医が知っておきたい 女性アスリートの生涯サポート
各論
5.女性アスリートの妊娠・出産と競技生活の両立
楳村 史織
1,2
S. Umemura
1,2
1京都第二赤十字病院産婦人科
2京都府立医科大学女性生涯医科学(客員講師)
pp.781-786
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003480
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妊娠・出産は女性アスリートの心身に大きな影響を及ぼす。妊娠中は子宮や胎盤・胎児に過度の衝撃が加わるおそれのある競技や動作,高温や低酸素環境は回避すべきである。妊娠中に許容される運動負荷のレベルは,心拍数や主観的運動強度といった指標で判断される。妊娠を維持し胎児を養育するため,適正な範囲内での体重増加が提唱されている。子宮が増大し胎児・胎盤が成長するのに伴い,腰痛などの運動器障害や貧血が生じやすい。産後は母体の回復に応じ競技活動が再開可能であるが,産褥期に特有の心身の変調に留意が必要である。母児の健康と安全を維持する方策について解説する。

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