症例
妊娠29週で発症し付属器摘出術を要した黄体化過剰反応の1例
宮崎 聖子
1
,
三谷 尚弘
1
,
金本 泰久
1
,
末光 徳匡
1
,
門岡 みずほ
1
,
大塚 伊佐夫
1
,
古澤 嘉明
1
S. Miyazaki
1
,
T. Mitani
1
,
Y. Kanamoto
1
,
T. Suemitsu
1
,
M. Kadooka
1
,
I. Otsuka
1
,
Y. Furusawa
1
1亀田総合病院産婦人科
pp.611-615
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003426
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黄体化過剰反応(HL)は高ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)環境やhCGへの感受性の亢進により卵巣腫大をきたす病態である。保存的加療が可能なことが多いが,疼痛を伴い手術を要することがある。症例は29歳未産,妊娠29週で急性腹症を認めHLと診断された。腹腔鏡下手術で右卵巣の捻転を認め,捻転解除と囊胞穿刺により卵巣温存を試みたが,数日後に再度下腹部痛を認めた。右卵巣は高度なうっ血を認め,開腹での付属器摘出術を余儀なくされた。捻転解除後も子宮による圧迫を受け血流障害に至ったと推測された。HLの捻転では週数によっては卵巣の温存は困難な場合があると考えられた。

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