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肥満妊婦における妊娠初期からの妊娠糖尿病に対する治療介入の有用性
中西 沙由理
1
S. Nakanishi
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター(診療講師)
pp.597-600
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003422
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肥満妊婦における妊娠初期妊娠糖尿病(GDM)の,妊娠初期からの治療の有効性を検証することを目的とした後方視的検討を行った。妊娠20週までにGDMと診断された肥満妊婦を対象とし,初期介入群は診断時からGDMとして栄養指導を含む治療を行った。初期非介入群は妊娠中期に再度75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行うまで無治療とし,中期75g OGTTでもGDMだった場合のみ治療介入した。一方で,中期75g OGTTが正常だった妊婦は治療しなかった。両群間で母体背景に差は認めなかった。初期介入群では初期非介入群に比べて,small for gestational age(SGA)率に統計学的に差はなかったものの,large for gestational age(LGA)率は有意に少なかった。妊娠初期GDMの肥満妊婦への妊娠初期からの治療は,SGAを増加させることなくLGAを減らす可能性が示唆された。

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