特集 発展する子宮鏡Ⅰ―レゼクトスコープ手術の神髄
子宮鏡手術
2.TCR手術につながる粘膜下筋腫の解剖学的説明
沖 利通
1
T. Oki
1
1鹿児島大学医学部保健学科成育看護学講座(教授)
pp.469-474
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003387
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子宮鏡下子宮筋腫摘出術(TCRM)の術中に確認できる解剖は特殊で,それぞれに意味がある。筋腫周囲の偽被膜は1枚の膜ではなく血管を内包する疎な組織の集合体であり,その内側で剝離すると出血が少ない。筋腫を栄養する血管束は筋腫核の4時や8時の側方にある。正常筋層は,白い索状の平滑筋組織の塊である内層と,赤い平坦な内壁をもつ外層の2層に分かれる。浅部の核出では偽被膜の内側に入り,浅部と深部の移行部では血管束の確認と温存,深部の核出は正常筋層外層の内壁の確認がポイントとなる。この解剖の確認には,筋腫と正常筋層の間へのレゼクトスコープ外筒挿入と通電操作を極力避けることが役立つ。

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