特集 産婦人科医が知っておくべき疼痛管理のコツ
Ⅲ.無痛分娩
4.無痛分娩中の母体急変への対応
五反田 倫子
1
,
加藤 里絵
1
M. Gotanda
1
,
R. Kato
1
1昭和大学医学部麻酔科学講座
pp.297-301
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003336
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無痛分娩で用いられる硬膜外麻酔の合併症のうち母体急変を引き起こすのは,高位脊髄くも膜下麻酔と局所麻酔薬中毒である。どちらも予防することが最も重要である。万が一,高位脊麻を発症した場合にはマスク換気にて酸素化を,循環作動薬にて血圧と心拍数を維持する。したがって,無痛分娩を行う際には,酸素化と循環を維持できる人員と医療器材を常置した環境で行う。局所麻酔薬中毒が疑われた場合には,脂肪乳剤の急速投与,痙攣への対応,呼吸と循環の維持を行う。無痛分娩によって痛みを感じにくくなるため,痛みの訴えによって気づく母体急変疾患,例えば子宮破裂などに留意する。
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