症例
ロボット支援下仙骨腟固定術後に乳び腹水をきたした1例
早川 卓冶
1
,
田中 幸余
1
,
北川 雅章
1
,
坪内 寛文
1
,
福江 千晴
1
,
水川 淳
1
,
竹下 奨
1
T. Hayakawa
1
,
Y. Tanaka
1
,
M. Kitagawa
1
,
H. Tsubouchi
1
,
C. Fukue
1
,
J. Mizukawa
1
,
S. Takeshita
1
1一宮西病院産婦人科
pp.211-215
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003313
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婦人科領域では悪性腫瘍手術におけるリンパ節郭清後に乳び腹水をきたす可能性が知られている。今回,骨盤臓器脱(POP)に対するロボット支援下仙骨腟固定術(RSC)後に乳び腹水をきたした症例を経験したので報告する。症例は70歳,4妊4産。POP-Q stage Ⅱの診断にてロボット支援下仙骨腟固定術(シングルメッシュ法)を施行した。術後経過良好にて術後4日目に退院。術後1カ月後の診察時に腹部膨満感の訴えあり,経腟超音波検査および腹部CT検査にて肝表面にまで達する大量腹水があり,経腟的穿刺にて乳び様の腹水の排液を認めた。腹水中の中性脂肪値が異常高値であり乳び腹水と診断し,絶食,中心静脈栄養,オクトレオチド酢酸塩皮下注射にて入院治療開始した。入院後7日目にCT検査で腹水消失を確認,12日目に退院となった。以後再発は認めていない。
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