特集 産婦人科にかかわる医用技術の新たな進歩Ⅱ
Ⅱ.妊娠・分娩管理における新技術
1.子宮動脈塞栓術(UAE)技術の進化
吉川 裕紀
1
,
中塚 誠之
1
H. Yoshikawa
1
,
M. Nakatsuka
1
1慶應義塾大学医学部放射線科学教室
pp.121-125
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003295
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子宮動脈塞栓術(UAE)は産後出血に対する効果的な治療方法であり,出血量が2.5lを超える(≒shock indexが1.5を超える)大量出血症例では積極的に適応を検討すべきである。術前に採血で凝固能を評価し,輸血により可能な限り凝固能を立て直しておくことが重要である。またdynamic CTを撮影しておくと,出血部位や血管走行などの情報が得られ,迅速な止血につながる。UAE単独で止血が得られる率は90%程度と報告されている。一方でUAEは妊孕能を低下させることも知られており,術後の妊娠率は挙児希望例に限れば79%程度と報告されている。
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