特集 産婦人科にかかわる医用技術の新たな進歩Ⅰ
人工妊娠中絶の新技術
2.薬剤による中絶の進化
石谷 健
1
K. Ishitani
1
1日本鋼管病院婦人科(部長)
pp.67-72
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003276
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ミフェプリストンの経口中絶薬としての開発が始まってから約40年,1988年にフランスで初めて妊娠中絶薬として承認されてから30年以上が経過した2023年5月より,経口中絶薬(メフィーゴ®パック)が国内承認された。導入の遅れを指摘されるが,諸外国で経口中絶薬のレジメン変遷があったなか,有効性や安全性における至適レジメンがほぼ確立した時点でミフェプリストン,ミソプロストールを一包化したコンビパックが世界で3番目に国内導入されたともいえる。昨今の国内における初期人工妊娠中絶治療は,吸引法による手術の割合が大半を占め,10年前と比較して著しく変貌している。今後は経口中絶薬に対する国民や医療者への理解が深まることで,経口中絶薬の安全かつ着実な普及に向けた社会的整備が重要となる。
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