Japanese
English
症例研究
卵巣妊娠中絶の2症例について
Two cases of interruption of ovarian pregnancy
富川 浩
1
,
小向 亮
1
Hiroshi Tomikawa
1
,
Akira Komuki
1
1福島医科大学産科婦人科学教室
pp.123-126
発行日 1956年2月10日
Published Date 1956/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201325
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
卵集妊娠に関しては,1880年頃より多数報告されて居り,必ずしも稀有なものではない1〜14)。併しながらLeopold1)の統計によれば,確実に卵集妊娠と認められる14例中6例迄が10ヵ月まで成育したものであり,妊娠の初期に於て卵巣妊娠と認められたものは14例中僅か2例にすぎなかつたとされている。Böwing2)の統計では19%が妊娠末期まで達したとされており,其の後の諸家の報告にも同様な傾向がみられる。
この様なことから,従来卵巣妊娠中絶は他の子宮外妊娠に比し早期中絶は少く,卵巣着牀が胎児の発育に好都合である様に考える傾向がないでもない。併し初期に於ける卵集妊娠中絶はその発病の仕方から,或は虫垂炎として開腹され,或は卵巣出血として処置されるために報告が少くなつているのではないかと思われる点がある。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.