特集 がんサバイバーにおける女性医学―産婦人科医にできること
各論
2.がんサバイバーとホルモン補充療法―小児,AYA世代から更年期女性まで―
篠原 康一
1
K. Shinohara
1
1愛知医科大学産婦人科学講座(特任教授)
pp.1527-1534
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003207
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AYA世代とはadolescent and young adult(思春期・若年成人)のことをいい,15~39歳の患者さんがあてはまる。この年代の診療には,思春期~成年期に発症する疾患に対しての注意が必要であり,妊孕性を温存する必要とともに,避妊にも留意する必要があり,プレコンセプション的なケアも重要である。思春期および成人専門の医師,看護師をはじめ,多職種が連携して診療を行うことも重要である。また,患者さんも中・高生から社会人となり,やがて子育て世代へとライフステージが大きく変化する年代であり,一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかな指導や治療が必要である。
本稿は「がんサバイバーとホルモン補充療法―小児,AYA世代から,更年期女性まで」というテーマであるため,低用量経口避妊薬(OC)・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP),プロゲスチン療法に加えホルモン補充療法(HRT)が中心になるが,産後子育て世代には,子宮内避妊システム(IUS)も有用である。OC・LEPガイドライン2020年度版やHRTガイドラインのなかから,AYA世代に関するものを中心に解説する。またがんサバイバーのなかには,原疾患がホルモン依存性であるため,エストロゲンや黄体ホルモンそのものが禁忌の場合が多く,処方には細心の注意を要する。
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