特集 産婦人科医が知っておきたい プレコンセプションケアの最前線Ⅰ
1.日本の生殖補助医療の現状からみたプレコンセプションケアのすすめ
堤 治
1,2
,
田畑 千沙
1
,
野間 桃
1
,
久須美 真紀
1
O. Tsutsumi
1,2
,
C. Tabata
1
,
M. Noma
1
,
M. Kusumi
1
1医療法人財団順和会山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター
2国際医療福祉大学大学院生殖補助医療胚培養分野
pp.425-430
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002943
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
日本の生殖補助医療は年々成果をあげ,少子化の進行とあいまって生まれる子どもの11人に1人を占めるに至った。人口動態調査によれば2022年には45歳以上の母親からの出生数が1,658人(全体の0.22%),40~44歳は46,336人(6.0%)で生殖補助医療の普及前の10倍以上に増加している。40歳台,特に43歳以上の高年齢女性の数百億ないし1,000億円と推計される治療の費用対効果は満足すべきものでない。この背景には性や生殖に関する知識の低さがあり,プレコンセプションケアにより妊娠・出産の若年化が少子化対策にもつながると考えられる。昨今話題の卵子凍結も,緊急避難としての役割を果たすと期待できる。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.