診療
生殖医療とプレコンセプションケアとのかかわり
片山 紗弥
1
,
松澤 由記子
1
,
谷垣 伸治
1
,
鳥海 玲奈
1
,
池田 沙耶佳
1
,
小林 陽一
1
S. Katayama
1
,
Y. Matsuzawa
1
,
S. Tanigaki
1
,
R. Toriumi
1
,
S. Ikeda
1
,
Y. Kobayashi
1
1杏林大学医学部付属病院産科婦人科学教室
pp.903-908
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001370
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生殖医療技術の向上に伴い,生活習慣病や慢性疾患を有する女性の妊娠が可能になり,ハイリスク妊娠が増加している。そのため妊娠前に適切な情報を提供し,将来の妊娠に備えヘルスケアを行うこと(プレコンセプションケア)が重要である。今回,プレコンセプションケアを十分に行い妊娠から分娩まで管理できた症例と,基礎疾患を有しハイリスクにもかかわらずプレコンセプションケアが行われずに妊娠し分娩に至るまでに病識が十分得られず経過した症例を経験した。慢性疾患合併妊娠はハイリスク妊娠であり,妊娠前から現病と妊娠に伴う病状変化や妊娠への現病の影響を夫婦や家族,現病の主治医と共有する必要がある。これにより適切な生殖医療を提供することができ,妊娠予後につながると考える。
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