特集 動画で理解する婦人科悪性腫瘍手術の外科解剖―腔の展開と切断ラインの決定―
1.直腸周囲の腔の展開-1
-―膜を意識した直腸癌手術の視点から―
八尾 健太
1
,
花岡 まりえ
1
,
絹笠 祐介
1
K. Yao
1
,
M. hanaoka
1
,
Y. Kinugasa
1
1東京医科歯科大学消化管外科学分野
pp.1431-1436
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002793
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直腸癌手術では癌の根治性確保と,神経および機能温存を両立させるため,直腸周囲の膜構造および神経走行の理解が重要である。直腸周囲では下腹神経前筋膜および直腸腟中隔を温存し,直腸固有筋膜に包まれた直腸・直腸間膜を一括に切除する。また骨盤リンパ節郭清においては,下腹神経前筋膜・内腸骨動脈臓側枝・膀胱下腹筋膜・骨盤壁の4つの壁を意識しながら,内腸骨リンパ節および閉鎖リンパ節の郭清を行う。これらの膜や壁を意識した直腸癌手術における解剖理解や術野展開は,婦人科手術における腔の展開と通ずる部分が多い。われわれが定型化し日頃行う,ロボット支援低位前方切除・骨盤リンパ節郭清の手術動画を供覧しながら直腸周囲の解剖について概説する。
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