臨床経験
胎児心臓腫瘍の臨床経過
小松 登
1
,
吉田 志朗
1
N. Komatsu
1
,
S. Yoshida
1
1長野県立こども病院総合周産期母子医療センター産科
pp.751-756
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002625
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胎児の心臓腫瘍は稀であり,妊婦健診で偶発的に発見されることが多い。推定発症率は0.1%程度であり,約20%が子宮内胎児死亡(IUFD),新生児死亡になるといわれている。横紋筋腫,線維腫,奇形腫,粘液腫,血管腫などがあるが,最も多い組織型は横紋筋腫である。腫瘍の位置,大きさなど性状によって児の心不全をきたすこと,出生後早期に手術が必要になることがある。横紋筋腫は結節性硬化症の一症状であることも多い。出生前に正しく診断することで,早期からの治療介入が可能となり,児の予後を改善できると考えられる。胎児心臓腫瘍の概要と,当院で経験した症例を併せて紹介する。
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