EBM時代の生薬・方剤の使い方[15/最終回][方剤]
当帰芍薬散
玉舎 輝彦
1
1岐阜大学医学部女性生殖器学教室
pp.259-261
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100087
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当帰芍薬散の原典は『金匱要略』にあり,婦人妊娠病篇に「婦人懐妊,腹中痛するは,当帰芍薬散之れを主る」,婦人雑病篇に「婦人の腹中の諸疾痛は,当帰芍薬散之れを主る」とある.したがって,原典に基づくと,当帰芍薬は主に産婦人科疾患に適応をみることになる.
構成生薬の薬能からみると1),当帰・芍薬・川弓は,駆お血剤で,陰虚証のお血(J1)を散じ,貧血を補い,血行を改善し,冷え症に用いる.茯苓・蒼朮・沢瀉は,駆水剤で,水毒症状を除く.以上により当帰芍薬散は,陰証で虚証の傾向にあるお血症状と水毒症状とを目標に用いられる.
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