特集 フェムテックと産婦人科医療
7.妊娠と中絶
-―世界の実情・日本の現状―
熊澤 惠一
1
,
大須賀 穣
1
K. Kumasawa
1
,
Y. Osuga
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.1541-1545
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002400
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人工妊娠中絶は女性にとって身体的/精神的に大きな負担であり,中絶を行う際には負担の軽減に留意することが大事である。人工妊娠中絶術には外科的治療法と薬物治療法があるが,日本では現在,経口妊娠中絶薬は未承認であるため,外科的治療のみとなっている。外科的治療では安全のため,真空吸引法が強く推奨されている。一方海外では薬物治療も行われ,その主流はミフェプリストンとミソプロストールの2剤併用である。この2剤併用による中絶の成功率は高く,わが国においても近年臨床試験が行われ,高い中絶成功率を認めた。今後,経口妊娠中絶薬が承認された際には適切な使用が必須となる。
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