特集 どうする? 子宮腺筋症の管理
2.子宮腺筋症の病因・病態
福井 大和
1
,
廣田 泰
1
Y. Fukui
1
,
Y. Hirota
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.1403-1408
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002364
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子宮腺筋症は,生殖年齢・更年期女性のQOLに大きな影響を与える疾患であるが発生機序は明らかでない。子宮腺筋症に対してNGSを用いたゲノム解析が行われ,子宮腺筋症病変の約40%にがん関連遺伝子であるKRAS遺伝子の体細胞変異が認められた。これらの症例では子宮内膜のKRAS変異やKRAS変異を伴う子宮内膜症病変を合併することが多かった。また,子宮内膜のKRAS変異は妊娠・経腟分娩既往症例に多くみられた。今回ゲノム解析の観点から子宮腺筋症の病因・病態について考察したが,子宮内膜症病変の浸潤や妊娠・経腟分娩との関連が示唆される結果となった。
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