特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅸ.性別不合・性別違和・性同一性障害
1.精神科における対応
松本 洋輔
1
Y. Matsumoto
1
1岡山大学病院ジェンダーセンター
pp.1199-1203
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002312
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わが国において,性別違和をもつ人に対する包括的治療は,日本精神神経学会が公表しているガイドラインに基づいて行われている。精神科はこのなかで,診断と精神科領域の治療,身体的治療の適応に関する意見書作成といった分野での役割を担っている。性別違和感を反映する生物学的指標は存在しないため,診断はもっぱら精神医学的診察に基づくものとなる。診断過程と治療的な介入は不可分の部分があり,生活歴を聴取するなかで本人の性自認を肯定しつつ,望む性別での生活が円滑に送れるようサポートを行うという役割が精神科医に求められている。身体的治療は不可逆的な影響を残すこともあり,2名の精神科医ないし心理専門職の意見の一致が必要とされている。
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