特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅶ.性暴力
1.性暴力の防止と対応
種部 恭子
1
K. Tanebe
1
1女性クリニックWe! TOYAMA
pp.1176-1181
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002308
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すべての女性の6.9%は過去に1回以上,同意のない性交の経験をもつ。見知らぬ相手からの性暴力は約1割であり,9割は関係性を利用した性暴力すなわちDV,性虐待,セクシュアルハラスメントおよび性的搾取である。DV・デートDVの性暴力は気づきにくく,セクシュアルハラスメントや性的搾取は被害者の落ち度を責められるなどの二次被害を受けることも多い。顔見知りであるがゆえ,被害の開示による生活や仕事の損失をおそれ,被害者の6割は誰にも相談していない。しかし,性暴力によるトラウマは生涯被害者を苦しめる。性暴力の加害者も被害者もつくらないために,健康なセクシュアリティとジェンダー平等,および「性的同意」を学ぶ性教育を行い,そして潜在化を防ぐために性暴力を許さない風土を醸成することが必要である。
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