臨床経験
反復する胎児水腫の原因が色素失調症であった1例に対する出生前診断および遺伝カウンセリング
佐々木 瑠美
1
,
瀬尾 優太朗
1
,
大場 隆
1
,
近藤 英治
1
R. Sasaki
1
,
Y. Seo
1
,
T. Ohba
1
,
E. Kondoh
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学講座
pp.889-894
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002242
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色素失調症(incontinentia pigmenti)は,IKBKG遺伝子の異常によって起こる皮膚や中枢神経に症状を認める疾患で,X染色体優性遺伝形式をとり罹患男児は胎生致死となる。反復する流産の原因検索にあたっては,染色体の異数や構造異常,先天性心疾患などの多因子疾患のみならず,色素失調症のような稀少な単一遺伝子疾患により流産をきたす可能性も念頭におき,詳細な既往歴,家族歴の聴取を行い,遺伝カウンセリングを行うことの重要性が示唆された。
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