特集 いま大きく変わりつつある子宮頸がんの診療
4.子宮頸がんに対するセンチネルリンパ節生検
戸上 真一
1
,
小林 裕明
1
S. Togami
1
,
H. Kobayashi
1
1鹿児島大学医学部産婦人科学講座
pp.581-585
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002166
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子宮頸がんにおいて骨盤リンパ節転移の有無は重要な予後因子であり,骨盤リンパ節郭清は標準術式として施行されてきた。一方,血管・神経損傷,下肢リンパ浮腫,リンパ囊胞,腸閉塞,などの骨盤リンパ節郭清に起因する術中・術後合併症は,患者のQOL低下につながり臨床的に問題となる。子宮頸がんに対するセンチネルリンパ節(SN)生検は,術後のリンパ浮腫やリンパ囊胞の軽減だけでなく正確な転移診断が可能であり,近年欧米では標準治療の1つとして位置づけられている。わが国では子宮頸がんに対するSN生検を多くの施設が臨床試験として施行しているが,いまだ保険未適応であり早期の保険収載が望まれる。
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