症例
30年間持続した寝汗に漢方治療が奏効した老年期女性の1例
岡村 麻子
1,2,3,5
,
蒲田 郁
1
,
木村 友沢
1,4
,
辻本 夏樹
1
,
中村 優子
1,4
,
小倉 絹子
1,4
,
田中 奈美
1
,
柴田 衣里
1
,
長田 佳世
1
A. Okamura
1,2,3,5
,
I. Gamada
1
,
Y. Kimura
1,4
,
N. Tujimoto
1
,
Y. Nakamura
1,4
,
K. Ogura
1,4
,
N. Tanaka
1
,
E. Shibata
1
,
K. Osada
1
1つくばセントラル病院産婦人科
2日立総合病院産婦人科
3東邦大学薬学部
4筑波大学産婦人科
5東西結合医療研究所
pp.119-123
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002036
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過度な寝汗は,感染症・悪性疾患・甲状腺機能異常などの原疾患があれば治療するが,原因疾患のない場合も多く西洋医学的な対応だけでは治療に苦慮することも多い。症例は75歳,40歳台から寝汗を認め,近年は発汗多量となり,近医内科を受診しホルモン補充療法が開始された。性器出血を認めたため当科初診,ホルモン剤を休薬し漢方治療を選択した。下半身の冷えと軽度の浮腫に対して,防己黄耆湯(TJ-20)5.0g分2/日を処方,4日間の内服で発汗量が減少した。疲労の蓄積(気虚)を認めたため,補中益気湯(TJ-41)5.0g分2/日を併用した。初診から4カ月後に寝汗は完全に消失した。東洋医学的な視点を早めに導入する必要性を実感した症例であった。
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