特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
企画者のことば
企画者のことば
松村 謙臣
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001922
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抗悪性腫瘍薬の開発は,戦時中,化学兵器として開発されていたナイトロジェンマスタードに白血球を減少させる作用が見出され,1946年に悪性リンパ腫症例に投与されたことから始まった。その後,多くの抗悪性腫瘍薬が開発され,臨床試験を重ねることで,現在の標準治療が作られてきた。以前の抗がん薬治療は,ひどい嘔吐などの副作用のなかで行うものであったが,支持療法も飛躍的に進歩してきた。一方,がんの分子生物学の進歩とともに,抗悪性腫瘍薬の作用機序や耐性機序の詳細が解明されつつあり,バイオマーカーの探索も進められてきた。さらに最近は,分子標的薬の開発が盛んに行われるようになり,それを後押しする遺伝子パネル検査も用いられるようになってきた。
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