臨床経験
不妊因子別にみたヒト卵管内液組成類似培養液(HiGROW OVIT)の臨床的有用性について
熊迫 陽子
1
,
宇津宮 隆史
1
Y. Kumasako
1
,
T. Utsunomiya
1
1セント・ルカ産婦人科
pp.989-995
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001845
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2017年,本邦初の純国産体外受精培養液(卵管内液組成類似培養液:HiGROW OVIT)が完成した。このHiGROW OVITの臨床的有用性ついて,特に不妊原因に着目し比較検討した。その結果,妻年齢が37歳以上の周期,または「男性因子」「原因不明」症例においてはコントロール培地使用群に比べHiGROW OVIT使用群のほうが胚盤胞到達率,胚利用率が高く,良好な発育成績が得られた。一方で,「子宮内膜症」「卵管」「PCO」が不妊原因である症例については培養成績に差を認めなかった。妊娠結果についてはHiGROW OVIT使用の効果は認めなかった。
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