特集 不妊・不育症女性の合併症・併存疾患をどう扱う?
7.やせ,肥満
増山 寿
1
H. Masuyama
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科・婦人科学教室
pp.1615-1621
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001569
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わが国における妊娠可能年齢の女性の体格は,やせの頻度が高止まりし,さらに高度肥満も増加傾向にある。また,平均出生体重は減少し,低出生体重児の割合が増加している。わが国でも妊娠前体格や妊娠中の体重増加量が,胎児発育だけでなく周産期経過に大きく影響するといったデータが集積されてきた。やせでは,胎児発育不全,早産の頻度が高くなる。肥満では,胎児発育過剰や妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病の発症頻度が高くなる。さらに,母体栄養状態の不良による子宮内環境の悪化は,世代を超えて児の将来の様々な疾患の発症リスクにも深く関与していることが知られている。医療的介入のチャンスである不妊治療時のプレコンセプションケアは非常に重要である。
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