特集 不妊・不育症女性の合併症・併存疾患をどう扱う?
1.子宮内膜症
泉 玄太郎
1
,
甲賀 かをり
2
G. Izumi
1
,
K. Koga
2
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
2東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座
pp.1573-1578
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001563
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子宮内膜症は,不妊症への合併率が高く,その取り扱いに苦慮することが多い疾患である。子宮内膜症を合併している場合,妊娠合併症のリスクは高くなるため,妊娠前に患者に十分その点を説明する必要がある。一定以上の大きさの卵巣チョコレート囊胞に対しては,卵巣囊胞摘出術を行って病理診断を確定させることが望ましいが,子宮内膜症に対する手術療法が周産期予後を改善するという報告はない。そのため,実際の治療方針の決定には,患者の卵巣予備能,不妊治療歴,生殖補助医療(ART)を受ける希望があるかどうかなど,様々な因子を患者ごとに個別に検討する必要がある。
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