特集 エキスパートから学ぶ婦人科ロボット手術update
総論
2.ロボット手術とライセンス取得も含めた医療安全の担保
平池 修
1
,
宮本 雄一郎
1
O. Hiraike
1
,
Y. Miyamoto
1
1東京大学産婦人科学教室
pp.313-321
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001234
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米国で開発されたda Vinci® Surgical Systemを用いたロボット支援下手術は,日本ではその導入と普及は泌尿器科を中心として始まった。しかし婦人科におけるロボット支援下手術は良性腫瘍,悪性腫瘍での子宮摘出術が2018年に日本でも保険適用になったことにより全国的普及が目覚ましく,今後,米国がそうであったように婦人科での手術が他科の手術件数を凌駕する可能性がある。腹腔鏡下手術と同様に,新規医療技術を導入するときには一般的に技術的問題のため合併症が増加することが知られている。患者の幸福に貢献し,かつ安全なda Vinci Surgical Systemの使用と健全な普及を図るためには,腹腔鏡手術にみられる合併症に加えてロボット手術に特有の合併症の発生に留意する必要があり,個々の施設において認定されたロボット手術執刀資格を満たす医師に十分な教育を施すことが必要である。日本では泌尿器科がほかの科に先駆けて手術全体を包括的に指導するプロクタリング制度を2014年度に施行するに至っており,婦人科領域においても現在同じ制度を策定中である。本稿では,da Vinci Surgical Systemの執刀資格ライセンスを取得するまでに履修すべき講義,実技内容などについて触れ,現在,日本婦人科ロボット手術学会を中心として導入される予定であるプロクター制度について概説する。
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