特集 日本の周産期事情update—出生コホート研究からわかったこと—Ⅰ
各論
3.妊婦の医薬品・サプリメント使用と子どもの発達
西郡 秀和
1
H. Nishigori
1
1福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター発達環境医学分野(教授)
pp.19-26
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001145
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子どもの環境と健康に関する全国調査(エコチル調査)を用いて,① わが国における妊婦の医薬品・サプリメント使用状況を明らかにした。② 妊婦の葉酸サプリメント使用による児の神経管閉鎖障害発症は,統計学的有意に低下しなかった。その理由として,現代の日本の食生活下では,児の神経管閉鎖障害はポピュレーションベースではすでに下げ止まりの状態ではないかと推測された。③ 周産期メンタルヘルスが注目されているが,妊婦のSSRI使用は児の泌尿・生殖器系形態異常リスクであった。ただし,本調査はその解析にあたり様々な限界があるので,これらの結果は慎重に解釈する必要がある。
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