特集 産婦人科診療decision makingのためのMRI・CT
Ⅳ.悪性腫瘍の診療方針決定のための画像診断
1)子宮頸癌(扁平上皮癌)および頸部腺癌の局所進展の画像診断
森畠 裕策
1
,
小山 貴
2
Y. Moribata
1
,
T. Koyama
2
1京都大学医学部附属病院先制医療・生活習慣病研究センター
2倉敷中央病院放射線診断科
pp.866-873
発行日 2019年6月30日
Published Date 2019/6/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000934
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患者設定 ① 59歳,子宮頸癌(扁平上皮癌)。内診,経腟超音波検査で腫瘤の大きさは4cmを超える。内診上は子宮傍組織への明らかな浸潤を認めずⅠB2期と診断したが,腫瘤が大きいために内診指が届いていないと考えられる。術前化学療法後に広汎子宮全摘術を行う方針としたが,MRIにより子宮傍組織浸潤の所見が認められれば浸潤側は神経温存せず,子宮傍組織浸潤のない側のみで神経温存する方針とした。MRIによりどのように子宮傍組織浸潤の有無を診断すればよいか? ② 70歳,子宮頸癌(扁平上皮癌)ⅡB期。子宮傍組織浸潤を認めるが,骨盤壁に達しておらず,子宮頸部の可動性もある。膀胱鏡,直腸鏡では膀胱および直腸粘膜面への浸潤を認めない。膀胱筋層や直腸筋層に浸潤がなければ術前化学療法および広汎子宮全摘術,浸潤があればCCRTの方針とした。MRIでどのように診断できるか? ③ 46歳,子宮頸癌(腺癌)。内診,経腟超音波検査で腫瘤の大きさは4cmを超える。内診上,子宮傍組織浸潤が認められたが,骨盤壁までは達しないように思われた。子宮頸部腺癌の子宮傍組織浸潤の程度をMRIで評価した上で,広汎子宮全摘術を行うか,あるいはCCRTを行うかを決める方針とした。頸部腺癌の子宮傍組織浸潤の程度は,MRIによってどの程度正確に評価できるか?
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