Japanese
English
臨床報告
甲状腺乳頭腺癌の扁平上皮癌への化生の1例
Transformation from papillary adenocarcinoma to squamous cell carcinoma of the thyroid gland
高橋 達雄
1
,
原田 種一
2
,
松土 昭彦
2
,
妹尾 亘明
2
,
山下 貢司
3
Tatsuo TAKAHASHI
1
1川崎医科大学外科
2川崎医科大学内分泌外科
3川崎医科大学人体病理部
pp.1621-1624
発行日 1978年11月20日
Published Date 1978/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207064
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はじめに
経過の良い甲状腺の乳頭腺癌が,カタストロフィーに至るには,未分化癌,あるいは扁平上皮癌に移行した結果であることが多いという説については,Goldman1),Halpart2),Cocke3),Ross4)ら,多くの報告があり,われわれも剖検例を検討して報告した.また,乳頭腺癌の手術症例についても検討した結果,扁平上皮化生がかなりの頻度で認められ,その大部分が腫瘍性の増殖像を示していたことを報告した5).これらの事実から,われわれは甲状腺原発の扁平上皮癌と報告されている症例には,このような移行の結果であるものがかなり条く含まれていると考えている.最近,われわれは初回手術時に乳頭腺癌と診断され,次回気管切開時に採取した組織標本では,乳頭腺癌と扁平上皮癌の併存が見られ,剖検時では原発巣の大部分が扁平上皮癌の像を呈した1例を経験したので報告する.
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