症例
著明な絨毛間腔の拡張(Placental lake)を伴う胎盤肥厚を妊娠後期に認めた1例
西村 俊哉
1
,
西島 浩二
2
,
吉田 好雄
3
T. Nishimura
1
,
K. Nishijima
2
,
Y. Yoshida
3
1石川県立中央病院産婦人科,前 福井大学医学部産科婦人科
2新潟大学医歯学総合病院総合周産期母子医療センター,福井県立大学看護福祉学部社会福祉学科,前 福井大学医学部産科婦人科
3福井大学医学部産科婦人科
pp.659-663
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000891
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妊娠35週に著明な絨毛間腔の拡張を伴う胎盤肥厚が出現し母体搬送され,その後の周産期転帰に異常を認めなかった症例を経験した。胎盤肥厚は児の周産期予後を悪化させると報告されている。そこでPubMedを用いて,常位胎盤早期剝離に関連しない胎盤肥厚の報告例(7論文:28症例+自験例)について系統的レビューを行った。その結果,妊娠第2三半期以前に胎盤肥厚が出現した症例は,第3三半期以降に発症した症例と比較してsmall-for-gestational ageの発症率が有意に高いことが示された。胎盤肥厚の出現時期は高次施設への搬送の必要性を判断する一助になると思われた。
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