診療
妊婦への漢方薬の投与
-―自験例を含めて―
飯岡 秀晃
1
H. Iioka
1
1高清会高井病院産婦人科
pp.301-307
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000792
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妊娠中の漢方薬の有効性について自験例を中心に概説した。投与頻度の多かった自験例漢方薬は柴苓湯(浮腫),麦門冬湯(咳),苓甘姜味辛夏仁(鼻炎),当帰芍薬散(動悸),桂枝加芍薬湯(便秘),半夏厚朴湯,六君子湯(重症妊娠悪阻),呉茱萸湯(頭痛)などであった。今回,柴苓湯の浮腫軽減効果,麦門冬湯の咳軽減効果,苓甘姜味辛夏仁の鼻炎軽減効果,半夏厚朴湯および六君子湯の重症妊娠悪阻軽減効果,大建中湯および桂枝加芍薬湯の便秘軽減効果など,妊婦に対して漢方薬は有効であった。そのほか,妊娠中の胃腸炎,下痢,痔疾,膀胱炎,胃痛,精神症状などにも漢方薬は効果が期待できる。
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