臨床経験
既往帝王切開後前置癒着胎盤12例の検討より,放射線科医師とともに当院での管理方針を再考する
船倉 翠
1
,
高橋 正道
2
,
松岡 勇二郎
2
,
兵藤 博信
1
M. Funakura
1
,
M. Takahashi
2
,
Y. Matsuoka
2
,
H. Hyodo
1
1東京都立墨東病院産婦人科
2同 診療放射線科
pp.117-123
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
前置癒着胎盤症例の管理方針は各施設ごとに工夫され,異なっている。当院も現在に至るまで試行錯誤し診療にあたっている。今回,われわれは,既往帝王切開後の前置癒着胎盤症例に限定した12症例についてまとめ,放射線科医師とともに転帰を検討した。当院では,予防的IVR(interventional radiology)としては両側内腸骨動脈バルーン留置の併用を選択しているが,他血管へ変更を検討するような事象は発生しなかった。また,IVR併用下に計画的二期的子宮摘出を行った6例では総出血量が有意に減少し,輸血回避例が有意に増加した。両側内腸骨動脈バルーン留置下に帝王切開術を行い,子宮動脈塞栓術(UAE)後,計画的二期的に子宮摘出を行う戦略で,比較的安定した周産期管理を行うことができると考える。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.