特集 外科解剖学から解き明かす広汎子宮全摘出術
4.骨盤内の血管の解剖と骨盤内リンパ節郭清
安彦 郁
1
,
万代 昌紀
1
K. Abiko
1
,
M. Mandai
1
1京都大学大学院医学研究科
pp.1727-1734
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000696
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子宮頸癌手術において,所属リンパ節の郭清は重要である。子宮頸癌の所属リンパ節は基靱帯リンパ節,閉鎖リンパ節,外腸骨リンパ節,内腸骨リンパ節,総腸骨リンパ節,仙骨リンパ節である1)。手術の際に目印となる主な骨盤内血管には,総腸骨動静脈,外腸骨動静脈,内腸骨動静脈,子宮動脈,深子宮静脈,側臍靱帯がある。血管以外に目印となる構造物としては,腸腰筋,閉鎖神経,尿管がある。本稿では,骨盤内の血管およびその周囲の解剖を理解の上に行う安全確実なリンパ節郭清について解説する。鏡視下手術と開腹術では目印となる血管の見え方や術野の展開の仕方が異なるが,リンパ節郭清の手順は基本的に同じである。今回は鏡視下手術を中心に詳説する。
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