増刊号特集 術者からみた局所解剖
Ⅵ その他
2.リンパ節郭清
骨盤腔のリンパ節郭清
栗山 学
1
Manabu Kuriyama
1
1岐阜大学医学部泌尿器科
pp.259-263
発行日 1997年4月30日
Published Date 1997/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902066
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骨盤リンパ節郭清(pelvic lymph node dissec-tion:PLND)は膀胱腫瘍・前立腺癌・尿道腫瘍・陰茎癌に対するリンパ節転移の有無の診断と転移リンパ節の摘出を目的に施行し,リンパ節転移の有無が判明することによって,症例の予後の推測と以降の治療方針の決定の際の指針となりうる。
前立腺癌の場合は,根治的前立腺摘除術に先立って本手術を行い,転移陽性の場合は根治術をあきらめるか,中枢端が陰性で確実に病期D1であれば全摘除術を行う場合があるが,摘除術後に強化療法を施行することが必須である。一方,膀胱腫瘍においてはPLNDの治療上における意義が未確定でもあり,転移例の予後不良が推測できるのみであるとの意見もある。この観点からも,開腹術でPLNDを施行することなく,aspirationや腹腔鏡を用いてポイントとなる部位の生検を行う手技も普及しつつある。
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