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性器ヘルペスの血清診断
-―2種類の測定法の適用と限界―
川名 尚
1
T. Kawana
1
1帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科(客員教授)
pp.309-317
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000372
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性器ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス(HSV)にはHSV-1(1型と表す)とHSV-2(2型と表す)があるが,最近どちらの型に感染しているかがわかる型特異抗体検出法が新しく登場し,保険収載された。この方法の従来から用いられてきたHSVに対する免疫グロブリン別抗体検出法との違いを明らかにし,性器ヘルペスの血清診断における使い分けについて筆者の考えを述べた。
初感染の診断にはIgM抗体の検出が効率がよいので免疫グロブリン別抗体検出法が適当である。一方,新しく登場した型特異抗体検出法は,感染しているHSVの型を知ることができる。例えば,臨床的な意義としては2型の感染では1型に比べ再発のリスクがはるかに高いことが知られている。本法は,従来よくわからなかった2型感染症の臨床的スペクトラムを知ることができる画期的方法で,泌尿器科,皮膚科,神経内科などでも広く用いられることが期待される。
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