増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
1 尿路・性器の感染症
性感染症
性器ヘルペス
安田 満
1
1岐阜大学医学部附属病院泌尿器科
pp.42-44
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205586
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疾患の概要
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)1型(HSV-1)または2型(HSV-2)による感染症である.初めて感染したとき(初感染)や,すでに腰仙髄神経節などに潜伏感染していたHSVの再活性化によるとき(再発または回帰発症)に症状が出現する.感染後2〜10日の潜伏期を経て,亀頭,陰茎体部に浅い潰瘍性または水疱性病変を形成する.初感染では外性器に掻痒感や違和感を伴った直径1〜2mmの複数の水疱が出現し,のちに水疱が破れ有痛性の浅い潰瘍を形成する.発熱などの全身症状を伴うことが多く,鼠径リンパ節の腫脹を伴うことがある.再発または回帰発症でも同様であるが,症状が軽く消失までの期間も短い.確定診断には塗沫標本を用いた蛍光抗体法検査により,HSV抗原の証明を行う.
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