今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
3.STDの治療と注意点
性器ヘルペス
宮内 彰人
1
1日本赤十字社医療センター産婦人科
pp.616-617
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100293
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1 診療の概要
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)はヘルペスウイルス科に属する2本鎖DNAウイルスで,1型と2型とがある.両型ともに皮膚や粘膜に感染し,限局性の水疱性病変を形成するが,初感染でも不顕性感染の形をとる場合もある.
感染局所で増殖したウイルスは末梢神経の軸索を伝わり,神経後根細胞に運ばれて宿主の生涯にわたり潜伏する.紫外線,発熱,外傷,免疫抑制,担癌などでウイルスが再活性化されると,神経の末梢に到達して増殖し神経支配域の皮膚・粘膜に病変を形成する.
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