臨床経験
非モザイク型クラインフェルター症候群(KS)の発生機序および遺伝学的リスクについての検討
御木 多美登
1
1セントマザー産婦人科医院,順天堂大学産婦人科学講座
pp.1761-1771
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000238
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クラインフェルター症候群(KS)は一般新生児の約1,000 人に1 人の割合で出生する,比較的頻度の高い染色体異常である。モザイク型を除くと,そのほとんどが無精子症の状態を呈するため,絶対的不妊の状態であった。ただ,近年のTESE,ICSI という技術の革新によってKS患者が児を獲得することが可能となった。しかし,その時点で,KS が児に遺伝するリスクを考えねばならないという新たな問題に直面した。当院でのKS 患者から出生した児への染色体検査,およびその精子,精子細胞のFISH 解析,またKS 患者とその両親に対するSTR 解析を行い,KS 患者の配偶子を用いたART 施行のリスクおよびKS の発生機序について検討してみた。
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