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特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012
5.皮膚科医のための臨床トピックス
フィナステリドの男性型脱毛に対する効果に体毛の濃さは関係するか?
Does body hair status have any influences on effect of finasteride against androgenic alopecia?
稲冨 徹
1
,
福地 君朗
1
,
三上 正憲
2
,
小松崎 早子
3
Toru INADOMI
1
,
Kimiro FUKUCHI
1
,
Masanori MIKAMI
2
,
Sayako KOMATSUZAKI
3
1日本大学医学部皮膚科
2三上皮膚科クリニック
3開智学園
1Division of Cutaneous Science,Department of Dermatology,Nihon University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Mikami Dermatological Clinic,Fujisawa,Japan
3Kaichi-Gakuen,Saitama,Japan
キーワード:
AGA
,
フィナステリド
,
男性型脱毛
,
プロペシア®
Keyword:
AGA
,
フィナステリド
,
男性型脱毛
,
プロペシア®
pp.161-163
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103272
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要約 背景:フィナステリド(プロペシア®)はテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されるのを阻害することで,男性型脱毛(androgenic alopecia:AGA)に対し有効性を示す.方法:フィナステリド内服歴が6か月以上の成人男性AGA患者34例を対象に,内服による頭毛,体毛の変化についてアンケート調査した.結果:平均年齢は44歳,フィナステリドの平均内服期間は1mg/日×18か月であった.体毛が濃いと感じているのは対象患者群の50%に当たる17例であり,濃い部位は下腿や髭が多かった.AGAへの効果は,やや改善以上が全体で34例中21例,62%だった.やや改善以上の比率を体毛の濃さによって比較すると,濃い群では15/17例(88%)だったのに対し,薄い群では6/17例(35%)と有意差をもって濃い群でフィナステリドの有効性が高かった.フィナステリド内服によって体毛への影響を感じた患者はいなかった.結語:AGA患者の約半数は髭やすね毛が濃く,またそれらの体の濃いほうがフィナステリドのAGAに対する有効性が高い.
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