症例
G-CSF 投与が有効であった塩酸リトドリンによる無顆粒球症の1例
小川 佳奈絵
1
,
渡邉 愛
1
,
清水 美代
1
,
福岡 正晃
1
,
加藤 淑子
1
1済生会京都府病院産婦人科
pp.935-939
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000071
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症例は34歳,1経妊1経産。切迫早産のため妊娠28週より塩酸リトドリンを持続静注し,妊娠33週3日(総投与量4,086mg,投与期間36日間),血液検査でWBC1,300/μl,Nuet130/μl と無顆粒球症を認めた。妊娠33週5日,子宮収縮を抑制できず,臨床的絨毛膜羊膜炎を疑い,帝王切開術を施行した。塩酸リトドリン中止後3日目に好中球数は回復,術後経過は良好であった。本症例は妊娠32週頃より口内炎,舌炎を認め,無顆粒球症の前兆であった可能性がある。無顆粒球症が判明した時点でG-CSFを投与したところ,血球数は速やかに回復し有効であったと考える。
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