特集 小児診療ガイドラインのダイジェスト解説 & プログレス2025
神経
16 チック症
-小児チック症診療ガイドライン
石井 隆大
1
1久留米大学医学部小児科学講座
pp.1326-1332
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003668
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小児チック症は,多くの子どもが一時的に経験する神経発達症である.その大部分は自然に軽快していくが,一部では慢性化し,日常生活や学校適応に支障をきたすことがある1)2).症状の変動に翻弄される子ども自身だけでなく,保護者も「なぜ止められないのか」という不安や罪悪感を抱き,学校や周囲の理解が得られないことから孤立感を深めることも少なくない.家庭内での対応や学校との調整に悩み続ける家族の心理的負担は大きく,診療の現場では子どもだけでなく家族全体を支える視点が求められてきた.そして,これまで日本には体系的な診療指針が存在せず,臨床現場での対応には大きなばらつきもあった.この状況をふまえ,日本小児神経学会はシステマティックレビューとエビデンス評価に基づきガイドラインを策定した.推奨の強さとエビデンス確実性を明示することで,診療の標準化とともに,臨床家と患児・家族がより納得して治療方針を共有できることを目指している.

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