特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
各論:診療の実際
チック症・トゥレット症UpDate
井上 建
1
INOUE Takeshi
1
1獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター
pp.1023-1026
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000970
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症状と疾患概念
チック(症)は,くり返される突発的で非律動性の運動または発声によるものと定義され,米国精神医学会の『精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)』では神経発達症群のなかの運動症群に含まれる。顔や首,手足などの動きのチックは「運動チック」,口や鼻から音を出すチックは「音声チック」とよばれる。さらに,瞬目や首振り,鼻を鳴らすなどのように急速で短時間の「単純チック」と,触る,叩く,腕を回す,叫ぶ,言葉が出るように持続が長くて意味があるようにみえる「複雑チック」に分類される。
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