特集 小児の特発性以外の肺高血圧
2.薬物による肺高血圧
中山 智孝
1
1高知赤十字病院小児科
pp.1126-1130
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003625
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
小児では薬剤による肺高血圧(PH)は一般的ではない.しかし,最新のガイドラインに示されたPHを誘発する可能性がある薬剤の一部は小児患者にも使用することがあり,頻度不明ながら小児患者にも薬剤誘発性PHを発症する可能性がある.原因薬剤として,食欲抑制薬やチロシンキナーゼ阻害薬,インディルビン(青黛),ジアゾキシドなどが指摘されている.循環器を専門としない医師がこれらの薬剤を使用する際には,循環器専門医との連携が望まれる.薬剤誘発性PHを疑った場合,被疑薬を速やかに中止する必要がある.PHが可逆的か否かは,誘発薬剤や曝露期間によって異なり,薬剤中止のみで正常な血行動態まで改善することもあるが,重症度に応じて肺血管拡張薬の使用を検討すべきである.

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.

