綜説
乳幼児の大腿骨骨幹部骨折に対する治療法の選択
大西 裕真
1
,
新谷 康介
1
,
大平 千夏
1
,
宅間 仁美
2
,
森山 美知子
2
,
中川 敬介
2
,
寺井 秀富
1
1大阪公立大学大学院医学研究科整形外科学
2大阪市立総合医療センター小児整形外科
pp.493-499
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003453
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大腿骨骨幹部骨折は,小児の骨折全体の1.6%と比較的まれな骨折である.乳幼児に関しては,単なる転倒・転落による受傷が多いものの,児童虐待の可能性を念頭において診療にあたらなければならない.治療は,ギプス固定を中心とした保存治療と,弾性髄内釘固定,プレート固定,創外固定などの手術治療がある.年齢と骨折型が治療選択にかかわる主な因子であるが,多発外傷の有無,長期入院の回避など,他の因子についても考慮したうえで,治療を選択する必要がある.本稿では,乳幼児の大腿骨骨幹部骨折に対する治療選択肢の説明と,それぞれの治療の利点・欠点をふまえた治療選択について,近年の傾向とともに解説する.

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