特集 学校心臓検診で見つける・見つかる 不整脈・心疾患
2.心房中隔欠損症
鍵山 慶之
1
,
須田 憲治
1
1久留米大学医学部小児科
pp.452-459
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003447
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心房中隔欠損症(ASD)は頻度の高い先天性心疾患であり,小児期には無症状もしくは軽微な症状しか示さないことが多いが,加齢とともに不整脈や肺高血圧などを呈し生存率が低下する疾患である.ASDは乳幼児期に心雑音などを契機に診断されるか,学童期に入ると主に学校心臓検診の心電図検査もしくは心音異常を契機に診断される.心音異常で重要な所見は「胸骨左縁の駆出性雑音」,「Ⅱ音の固定性分裂」で,心電図異常で重要な所見は「V1誘導のrsR’パターンの不完全右脚ブロック」「左側胸部誘導でのT波異常」などと報告されている.とくに心電図異常は重要な役割を占めており,かつ将来的には医療AIの発展によってより高精度で簡易なスクリーニングが行われることが期待される.

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