特集 小児循環器 最近のトピックス
6.心疾患児におけるRSV感染症
-――シナジス®とベイフォータス®
古野 憲司
1
1福岡赤十字病院小児科
pp.156-163
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003359
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
RSV感染症は,乳幼児に多い急性下気道感染症で,とくに心疾患児は重症化リスクが高い.RSVは気道閉塞や有害な免疫反応を引き起こし,肺高血圧や低酸素血症を悪化させる.パリビズマブはRSV感染症の重症化を予防する初のモノクローナル抗体製剤で,心疾患児や早産児への有効性が示されてきた.一方,課題であった血中濃度の維持が長期間可能となったニルセビマブが開発され,1回の投与で流行期をカバーでき,その利便性は高い.今後,患児ごとの重症度や治療計画に応じた両薬の適切な選択が求められる.ニルセビマブの普及は,心疾患児を含むすべての乳幼児におけるRSV感染症の疾病負荷軽減に寄与することが期待される.

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.