特集 小児感染症の話題
3.三重病院におけるCOVID-19入院症例の臨床的特徴
坂本 花菜
1
,
菅田 健
1
1国立病院機構三重病院小児科
pp.421-428
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003015
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三重病院では2020年4月~2023年3月に864例の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断で入院した小児および成人を診療してきた.本稿では,当院で経験したCOVID-19症例の臨床的特徴について報告する.15歳以下の小児例は無症状あるいは上気道症状の軽症例が大多数を占めた.一方,成人例は味覚および嗅覚症状のみならず呼吸苦を呈し,肺炎に至る症例も認めた.流行初期の小児は全例入院経過観察していたが,後期の入院適応は主に経口摂取不良やけいれん症例だった.併存症として特発性血小板減少性紫斑病(ITP),川崎病,虫垂炎などを認め,早期診断が鍵となった.抗菌薬や抗ウイルス薬であるレムデシビルは,基礎疾患の有無,画像所見と血液検査の炎症所見を適応基準とした.
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